輸入知識

海外の商標権は日本に影響するかどうか

こんにちは、アキです。

 

日本では知的財産権の一つに商標権があり、商標権を逸脱すると

Amazonでは『アカウント停止』はもちろん、最悪の場合は『訴訟』を起こされて

裁判所で法的措置を受けることになります。

詳しくは、「輸入する際は、日本の商標権に注意しよう。」で解説していますので、

参考にしてください。

 

それと同じように、海外でも商標権が存在します。

 

「自分の商品を保護できる」という点では同じですが、

それぞれの国で制度がやや異なるので、

この記事を見て少しでも理解を深めて頂けたら幸いです。

 

今回の記事では、「海外の商標権は日本に影響する?しない?」解説していきます。

 

商標権の適用範囲

日本の商標権の適用範囲は『日本国内』のみです。

反対に海外商標の適用範囲も『海外』のみです。

 

要するに、商標権は『商標権を取得した国のみ』に適用されるということです。

 

たまにAmazonで出品していると

「海外商標でシリアル番号◯◯◯◯◯◯◯◯◯で登録しているから、相乗り出品しないでください」

などと、出品者セラーから問い合わせが来ることがあります。

 

ですが、海外の商標権は日本に適用されませんから、

この場合は相乗り出品を継続しても問題ありません。

 

「私が家で作ったサンドイッチの食べ方の順番はこうだから、

あなたの家でもこの順番で食べるのよ。」

というと

「え、なんで?好きに食べさせてよ」

ってなりますよね。

 

なので、『商標権は取得した国の国内のみしか適用されない』と理解しておいてください。

 

日本商標と海外商標の違い

商標権の適用範囲は各国毎で適用される事は項でお話しましたが、

商標権の制度も各国毎で異なります。

 

使用主義と登録主義

各国の商標権を取得する際には、「使用主義」または「登録主義」で取得します。

 

使用主義というのは、

「最も早く商標の使用を開始した者に商標権が生じることを基本とした考え方」の主義です。

登録主義というのは、

「最も早く出願した者に商標権が生じることを基本とした考え方」の主義です。

 

日本をはじめ多くの国では登録主義を採用しており、

登録の出願が早い者に商標権利が生ずる制度になっています。

 

ちなみに、アメリカ、カナダは使用主義を採用しており、

最も早く使用したものに商標権利が生ずる制度を設けてます。

 

また、商標が実際に使用されていることによって商標を保護する価値が見出されるので、

使用していることを証明する「使用証明書」の提出が義務付けられている国もあります。

 

一方、『商標というものは使用してこそ信用が化体するものでもある。』という考えもあるため、

登録主義の国でも、使用主義的な規定も採用されています。

 

 

この辺は一概には言えませんので、各国の特許庁に出願する際に都度確認しましょう。

 

日本での商標権取得方法

では実際に、商標権を取得する方法についてご説明します。

 

日本での商標登録方法

日本での商標権登録は7つのステップから構成されています。

1.出願する商標を決める

2.同一の商標が登録されていないかを確認する

3.商標登録出願書類を作成する

4.出願書類を郵送する

5.出願番号通知書が届く

6.登録料を納付する

7.登録証が届く

 

1.出願する商標を決める

はじめに、出願する商標を決めます。

商標権は様々で、文字だけ、図形だけ、記号だけ、それらを組み合わせたもの、立体商標があります。

文字は文字でも、標準文字やロゴ。白黒なのかカラーなのか。

など多種多様な分類の中から自分の商標権で取得する形を決めていきます。

 

形が決まれば、「区分」を決めます。

「区分」というのは簡単に言うと、カテゴリーの事です。

 

登録する区分を間違えると効力が適用されない場合があります。

 

例えば、はさみ。

「はさみ」にも種類があって、『医療用で使うはさみ』と『化粧用具のはさみ』があります。

『医療用で使うはさみ』を「化粧用具のカテゴリー」で登録したとして、

誰かが同じはさみを、『医療用のはさみ』として販売したとしても、

【商標権の侵害にはならない】ということです。

 

「区分」45種類から分類されています。詳しくはこちらの記事を参考にしてください。

ここは重要な所ですので、注意して登録しましょう。

 

2.同一の商標が登録されていないかを確認する

出願する商標権が決定すれば、次に同じ商標権が登録されていないかを確認します。

 

確認方法は「特許情報プラットホーム」で確認できます。

使い方は、「輸入する際は、日本の商標権に注意しよう。」の記事で

解説していますので参考にしてください。

 

3.商標登録出願書類を作成する

同一の商標権がなければ、出願書類を作成します。

書類は特許庁のホームページからダウンロードできます。※特許庁ホームページ

 

 

出願書類の書き方は、特許庁のホームページを参考にしてください。

 

4.出願書類を郵送する

出願書類を作成したら、封筒に入れて特許庁へ郵送します。

封筒には「出願書類在中」と表示します。

商標登録出願の日は郵便局で受け付けた日となります。

 

 

5.出願番号通知書が届く

特許庁で登録手続きが完了したら、郵送で出願番号通知書が送付されてきます。

出願番号通知書には出願番号が記載されています。

この出願番号によって登録が行われますので、番号を間違えないように必ず控えに記入しておきます。

 

6.登録料を納付する

出願書類が登録要件を満たしていれば、約半年後に特許庁から登録査定の通知が郵送されてきます。

登録査定の通知が送付されてきますと、登録料を納付します。

 

登録料は 「5年分で16400円×区分数」「10年分で28200円×区分数」です。

区分数が多いほど、登録料は高くなります。

区分別の登録料はこちらをご覧ください

 

7.登録証が届く

登録料の納付を終えると、しばらくして登録証が送付されていきます。

登録証が送付されてくれば、晴れて商標権利者となれます。

 

まとめ

商標の適用範囲は各国で異なることは、輸入ビジネスを行う上で

重要なポイントの一つですので、必ず覚えておきましょう。

 

輸入ビジネス初心者は商標権を登録することはまずありませんが、

将来的にOEMをするのであれば、商標権の登録は非常に有効ですので

理解しておくことをおすすめします。

 

今回の内容は以上となります。

記事の内容でご不明点、質問等ございましたらお気軽にお問い合わせください。

 

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。